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弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座

弘前大学大学院医学研究科 皮膚科学講座
研究プロジェクト

赤坂英二郎

  1. 遺伝性皮膚疾患の遺伝学的検査
    表皮水疱症、掌蹠角化症、ポルフィリン症など多くの遺伝性皮膚疾患の遺伝学的検査を行っています。その結果を通じて遺伝型と表現型の相関について解析、バリアントが及ぼすタンパクの構造や機能の変化について研究しています。
  2. 潜性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)における線維化メカニズムの解明
    RDEBではVII型コラーゲンの遺伝的に減少しています。それに伴いTGF-βシグナルが活性化し、手指癒着などの重篤な線維化や有棘細胞癌が転移しやすい微小環境の形成が起こります。TGF-βシグナル活性化メカニズムを明らかにし、それを抑制する新規治療法開発を目指しています。
  3. 高チロシン血症における掌蹠角化メカニズムの解明
    チロシン代謝酵素の遺伝学的変化により高チロシン血症が生じると掌蹠に限局した可逆性の過角化を生じます。培養細胞や動物モデルを用いて、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。

松﨑康司

  1. BP230を標的とする水疱性類天疱瘡(BP)の発症機序ならびにその誘発因子の解明
    我々は、BP230ノックアウトマウスをBP230タンパクで免疫させ、そのリンパ球を免疫不全マウスに移植することにより、BP様の皮膚症状が現れることを確認、世界に先駆けてBP230-BPモデルマウス作製に成功した。外的要因によるBP230の局在の変化、ならびに抗原抗体反応後の水疱形成の機序を探求する。
  2. 表皮細胞由来VII型コラーゲンの毛包構造維持に果たす役割の解明
    VII型コラーゲン(COLVII) を欠損させたマウスは生下時より水疱が生じ短命である。COLVIIは主に表皮細胞と線維芽細胞から産生されるが、表皮細胞でのみCOLVII発現を欠損させると、水疱形成は見られず生後20週から顕著な脱毛が出現する。マウスの発毛維持における線維芽細胞由来COLVIIの重要性を解析、解明する。
  3. 創傷治癒過程における間葉系幹細胞の関与についての解析
    間葉系幹細胞にはいくつかの性質があり、①先天的、後天的な免疫反応を調節する、②線維芽細胞、軟骨、骨、脂肪組織といった間葉系の細胞に分化する、③炎症の場や創部、腫瘍といった組織ダメージのみられる場に回帰するといったことが言われている。マウスから採取した間葉系幹細胞を用い、創傷治癒、抗炎症への関連性を解明する。

六戸大樹

皮膚腫瘍の病態に関する研究

  1. 皮膚腫瘍の病態におけるグルコーストランスポーターの役割
    さまざまな腫瘍において、糖質を細胞内に取り込むグルコーストランスポーター(GLUT)の発現が亢進している。しかし、皮膚腫瘍の病態におけるGLUTの役割の解析はまだ十分に進んでいない。現在、乳房外パジェット病や脂漏性角化症において、GLUTの発現が腫瘍進行にいかに関わっているかを検討している。
  2. 放射線皮膚障害の予防
    医療従事者における放射線被ばくは、将来の皮膚発癌リスクを伴うため深刻な問題である。被ばく後皮膚所見の経時的解析を行い、放射線皮膚障害の予防策を講じるための研究を整形外科学講座と共同で行っている。
  3. ウイルス発癌の病態解明
    有棘細胞癌、ボーエン病、メルケル細胞癌などの皮膚腫瘍では、ウイルスが発癌に関与することが知られている。腫瘍検体からのウイルスの検出、同定を行い、腫瘍発生の病態解明を目指している。